会社を守る就業規則
就業規則の作成手順
就業規則の構成
【条文例】
・総則
・採用
・休職
・就業時間、休日
・退職、解雇
・表彰、懲戒
・賃金 |
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就業規則は、ヒナ形就業規則をそのまま流用して作成しても無意味です。
会社の実態に合っていなければ逆にリスキーになることもあります。
会社の将来のあるべき姿、あるべき行動指針を何度も検証して、本当の意味で使える就業規則を作るようにします。
ここでは当事務所の基本的な作成手順をご紹介します。
1.就業規則作成チームを結成する。
ここが一番重要なのですが、就業規則の作成は経営者1人或いは経営者数人だけで作成するのではなく、現場の社員(管理者でもスタッフでも構いません)を入れて、現状の労務管理上の問題の整理や将来の会社のイメージ醸成を行なうと、就業規則作成という観点からも、一体感の醸成という意味でも効果的です。
現場とは「営業」「開発」等を想定しています。
打ち合わせの度ごとに参加してもらうのが厳しいようでしたら初回だけの参加でも効果的です。
大人数の必要はありません。現場のことを熟知している人が数人いれば充分です。
2.将来のあるべき会社の姿、行動指針を想定する。
まず、経営者の方が10年程先の会社の姿を想定し、それを現場社員と議論します。
10年後の社員数、社風、行動指針をイメージし、それを就業規則に反映させることが「魂の入った就業規則」作成の基本になります。
3.将来のスタッフの構成をイメージする。
社員数だけではなく、ご自身の会社の人的資源をどこに求めるのかを想定します。
例えば、現在は正社員だけだが、将来はアルバイトを採用したい、60歳以上の人をうまく活用したい、等スタッフの構成をイメージします。
可能な限り効率的な人的パワーで、可能な限り大きい付加価値を生み出せる手法を、会社ごとのビジネス形態に合せて検証します。
こでも現場の社員を入れてざっくばらんに話をします。
4.現在の状態を整理する。
将来のイメージが出来ましたら、現状の整理です。ここでは大きく2点に着目します。
①現在の就業ルールの整理
所定労働時間、休日、休憩、年休、特別休暇、休職、退職、服務規程などの現状を書き出して整理する。
②現在の課題の整理
例えば、決められた就業時間と社員の就業実態が合っていない、遅刻する社員が多い、休日出勤に対する割増賃金の定義が曖昧等、就業に関する課題を抽出します。
5.就業規則の作成開始
ここまで来て、ようやく就業規則の作成です。
経営基本方針を前段部分に織り込みます。法律上は必要ではないものですが社風の醸成・徹底という意味でも記載すべきです。
内容について、現状のルールから変更なければそれを明文化し、ルールを変更すべき場合は、労働法上、問題がないかを確認の上変更します。
また、アルバイトやパート、60歳以上の方を採用する可能性があれば、その就業内容も併せて網羅します。(或いは将来的に網羅できるように準備だけはしておきます)
最終的に就業規則が完成するまでには、最低4~5回の検討会を開催し、完成度を上げて行きます。
6.意見書の作成、労基署への提出
作成した就業規則について、労働者代表(労働組合)から意見書をもらい、就業規則と意見書をペアで労働基準監督署へ提出しなければなりません。
なお、意見書は「同意書」ではありませんので、反対意見でも差し支えありません。
しかし、反対意見が多数記載されているものはやはり提出したくはないものです。
従って作成段階から現場の社員を入れて、実態に合ったものを作成することが必要になります。
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