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高年齢者の雇用 |
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今の時代、60歳はまだまだ若く、経験を持った貴重な人材を簡単に定年退職させてしまうのは極めてもったいない話です。
2006年度には高年齢者雇用安定法が改正となり、原則として65歳までの雇用が義務化されました。高年齢者のこれからの処遇のし方、働き方について考えてみます。
1.法律の改正について
従来より、「高年齢者雇用安定法」という法律はありましたが、ポイントは、「60歳を下回る定年は禁止する」という内容でした。
しかし、ご存知の通り、少子高齢化が進展するに連れて厚生年金の支払原資が今後極端に減少してくるために、厚生年金の支払開始時期を遅らせると同時に60歳以上の雇用確保を企業に義務付けるという趣旨で改正されました。
法改正の要点は、定年を定める場合には下記のいずれかの方法によって段階的に65歳までの雇用を確保することを義務付けた点です。
①定年年齢そのものの引き上げ
②定年そのものの廃止
③再雇用等による継続雇用制度の導入
2.対応の方法について
大企業より、むしろ規模の小さな企業の方がノウハウ・経験を重視する傾向にあって、既に定年制度そのものがなかったり、従来より65歳までの再雇用制度が運用されている企業が多い傾向にあります。
しかし、これから制度を考えなければならない企業は大変です。
まず、選択する制度を考えなければなりません。
(1)現実的な選択について
国としては、出来れば全ての企業に対して定年を廃止、若しくは65歳までの定年の引き上げをして欲しいところでしょう。
しかし、多くの企業の現実的な選択は「65歳までの再雇用制度」ではないでしょうか。
それは以下の2つの理由によります。
・60歳で一旦退職をすることになる(その時点で退職金も支払います)ために、以降は働きたくないという人はケジメをつけやすい。
・再雇用後は1年毎の契約更新制度にするなど、柔軟な契約形態を取り易い。
(2)運用について
①契約形態について
今の60歳は若い、とはいえ、若いときに比べれば体力も落ちており、健康を害するリスクも確実に大きくなっています。どこかで節目をつけて企業側・本人ともケジメをつけることが出来るように上記に触れたように1年毎に契約を更新する方法がベストです。
②雇用期間について
国が義務化しているのは「希望者全員」ですから、希望しない社員は再雇用する必要もありません。また、例えば1年だけ契約したが以降はゆっくりリタイアしたい、という社員には契約を更新しなければ良いことになります。
つまり、柔軟に雇用期間を選択出来ます。
③給与レベルについて
再雇用の場合には、60歳定年の歳に一旦会社は退職をして再度雇用されたという形になっているので、60歳までの給与レベルを維持する必要はありません。
労使で話し合って、適切な給与レベルを設定すれば良いのです。
但し、以下の理由により60歳までの給与レベルより下げる方が良いでしょう。
当分の間、60歳以降も会社において働く人(厚生年金の被保険者)についても厚生年金が支給されます。しかし、ここでは詳細の計算方法は省略しますが会社から支払われる給与等と年金額が月額28万円を超えると一定も割合で年金額がカットされるようになっており、48万円を超えると年金の支給が停止されます。
かつ、殆どの方には雇用保険から60歳より「高年齢雇用継続給付」が支給されますので、さらに厚生年金の支給額がカットされることになります。
60歳までの給与レベル、社員の被保険者期間等、様々な要因で年金等の支給額が個人毎に違うので一概には言えませんが、再雇用後の給与の月額は15万円から25万円の間が最も無駄のない金額になるケースが多くなります。
また、上記の通り、個人毎に年金額や高年齢者雇用継続給付の金額が違うので、細かいシュミレーションをして60歳以降の賃金を個人別に設定している企業もあり、それが理想です。
再雇用の対象者が限られているうちは、そのように運用した方が労使共にメリットを享受出来ます。
(3)助成金について
段階的に引き上げられる雇用確保義務年齢以上の制度を導入して、対象者を出した場合には国から助成金が支給されることもあります。
3.働き方について
現役時代と全く同じように、同じ職場、同じ就業形態で働いてもらうケースもあると思います。
しかし、60歳を過ぎれば「仕事は続けたいが、もう少しペースを落としたい」あるいは「週に3日だけ働きたい」という人も多く出てきます。
そこで以下のような選択肢も用意することをお勧めします。
1)短時間勤務制度
例えば、10時から16時までの勤務時間。残業は基本的になし。
2)隔日勤務制度
例えば、月・水・金曜日のみを出勤日とする。
こんな細かい選択まで準備しても仕方がない、と言われるかも知れませんが、こういった選択肢があれば社員に無理して長時間労働してもらう必要もありませんし、給与もその分削減出来ますので、労使共にメリットを生み出せます。
また、担当する業務ですが、会社が一方的に今までの業務を継続させるのではなく思い切って今までとは別の業務、若しくは過去に経験した業務をしたい人には、その部署の人員状況や適正等を見て希望に沿った配置をする方が労使双方にメリットが生み出せるケースが多くなります。
要は、労働時間についても担当業務についても、余り固定概念にこだわることなく、多様な働き方を検討し、柔軟に対応した方が運用面でうまく行きます。 |
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