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 優秀な人材の確保のし方 
 





  「うちは規模の小さな会社だからどうせ良い人は来ないよ。」
「優秀かと思って採用したのに意外と使えない。」
「せっかく育てたのに、すぐ辞めてしまう。」
このようなお話(愚痴?)はよくお伺いします。

今の時代に合ったやり方で、優秀な人材を採るためにやるべきことをやっていない中小企業が非常に多いのも事実です。
企業の成長のためにはまず、人の確保が大前提です。
 
せっかく人を採用するのですから、数合わせのためではなく、本当に会社に付加価値を提供してくれる「優秀な人材」を確保するために行動すべきです。
 
1.募集について

とにかく、自分の会社のことを知ってもらわないとお話になりません。
可能な限り企業名を知ってもらう努力をします。
これから記載する内容は主に、新卒の学生さんを採用する場合を想定していますが、職歴のある人を中途採用する場合にも充分応用出来ます。

◆ホームページの展開方法
既にホームページを持っている企業で、そのホームページの中で「採用」のページを作っている企業が過半数を占めています。
しかし、そこで入社後の待遇・業務と、ほんの少しのを企業アピールを掲載しているだけでは意味がありません。次のような仕掛けが必要です。

(1)SEO対策をする
採用ページを作っているだけでは殆ど見てもらえません。
はやり、それなりのSEO対策をしなければならないのですが、実は殆どの企業の採用ページは対策をしていませんので、若干の工夫をするだけでも効果が出ます。
プロのホームページ制作会社に委託している場合には、まずは相談しましょう。
自社でホームページを制作、運営している場合は「キーワード」を充実させるのが最も手っ取り早い方法です。
「地域、業種、職種」の3点をうまくキーワードとして活用していくのが近道です。

(2)ホームページに社員を出し、実際の仕事や社風を紹介する。
応募者、特に新卒の応募者は仕事も内容もそうですが、それ以上にどんな雰囲気の会社かを最重視します。特に比較的若い時代から活躍出来る社風にあるのかを最も重視する傾向にあります。

当然、新入社員の時からバリバリ活躍出来るとは学生さんも思っていませんので、極端に無理してその部分を露出する必要はありませんが、何年かしたら自分もこんな感じで活躍出来る、というイメージを醸成すると効果的です。

(3)就職支援会社に募集掲載をして、ホームページへのリンクを貼る。
これは「可能であれば」という項目です。
応募者の中での認知度を上げるためにはやはり、大手の就職支援会社の求人情報サイトに料金を払って掲載し、そこからホームページへ誘導する手法を取ればほぼ間違いなく絶大な効果が期待出来ます。
    
「リクナビ」等でどのような企業が掲載しているか一度見て頂ければと思います。企業規模が10名位の企業も沢山掲載しています。

◆就職説明会、面接会への積極的な出席

就職支援会社やハローワークでは定期的に就職説明会や面接会を行なっています。
就職支援会社は、元々就職支援会社へ登録している企業に限って有料で出席可能としているところが多いようですが、名の知れた支援会社の説明会や面接会には非常に多くの学生さんが集まります。中小の企業でも多ければ50人~100人近くの人と話をすることが出来ます。

そこで、興味を持ってくれた学生さんや、逆にこちらとしては是非採りたい人がいた場合、可能な限り早いタイミングでアプローチします。
遅くとも翌日には電話でアプローチしたいものです。
   
また、ハローワークにおいても面接会を開催します。
今まで出席の実績のある会社でないと、出席の案内が来ることはまずありませんが、1月~4月にかけて開催することが多いので、案内が来なくてもこちらからハローワークや電話、訪問によってアプローチする価値はあります。ハローワーク主催の面接会は無料です。

◆求人票の提出

最も基本的なことなのですが、「人が採用出来ない」と嘆いている割にはハローワークに求人票を出していない企業が多いのに正直驚かされます。
勤務条件や選考方法等の記載と同時に、備考欄(補足事項)等に出来るだけアピール出来る部分を書いて、まずは提出すべきです。

◆企業アピールについて

ホームページであっても、就職支援会社のサイトであっても、説明会であってもこの募集段階でまずその会社のプラスのイメージを学生や応募予備軍に焼き付ける必要があります。

知名度のない会社の担当者が 「うちは結構知名度があります」と言っても全く逆効果です。
    
最も重要なポイントですが、会社の自慢出来る点を2つ程挙げてみて下さい。
・事業そのものがこんなに夢があり、成長が期待出来る。
・こんなノウハウや技術が身に付く。
・若くてもこんな実績を上げた社員がいる。
・給与レベルは平均だが、休日設定にこんな特徴がある。
・女性社員がこのように活躍している。
    
もし、今の段階でアピール出来る点がないのでしたら、「これからこういう会社にしていく」という強い思いをアピールするのも効果的です。
   
   
2.選考の進め方について
      
応募する人が出来たら今度は選考です。
人さえ集まれば選考なんて簡単、ではありません。
ここでは、面接の進め方についてポイントを解説します。

◆基本確認
    
面接の基本編です。まず、以下のように基本的なことについて聞き、大凡の人物像を捉えるようにします。

①志望した理由
②入社したら携わりたい仕事
③他社の応募状況
④今まで最も力を入れてきたこと
    
ここでは答えた内容よりも、その答え方や態度等によって、志望度合いやコミュニケーション力を把握するようにします。

◆突っ込んだ質問について

一つのことを深く掘り下げた質問をします。
一般的な質問に対する答えで、一番見えにくかったパーソナリティや能力を確認するのが目的です。
イメージとしては事前に答えを準備しておくことが難しいような質問を予め面接官側で準備しておきます。
    
例えば下記のような流れで深く掘り下げます。
     
「今まで力を入れてきた事の中で、最も苦労したことは何ですか?」
               ↓
「なぜ、そのような苦労をすることになってしまったのですか?」
               ↓
「その苦労の中で、どのような自分を発見し、どのように成長出来たと思いますか?」
               ↓
「その苦労の中で、周りの人にどのようなサポートを受けましたか?」       
               ↓
「そのサポートを受けるためにどのような努力をしましたか?」
  
これは「課題解決力」を見る質問の流れの一例です。 
このような流れを応用することにより、以下の例のような部分を確認することが出来ます。
・「課題抽出力」
・「行動力」
・「企画力」
・「独創性」
・「協調性」
・「リーダーシップ」
    
◆質問の受付

面接の終盤には応募者からの質問を受け付けます。
実は、これが応募者の志望度合いや基礎能力を判断するために重要なステップになります。
「何でも質問して下さい」と言っているのに「特にありません」と答えるようでは志望度合いは低いと考えて差し支えありません。
「質問力」と呼びますが、基礎能力の高い人は、的を得た質問する力があります。

質問に答えるのはかなりのエネルギーを使いますが、試してみる価値は充分にあります。

◆面接でのタブー

優秀な人材を確保することとは直接関連しませんが、面接する上で聞いてはならないプライバシーもあります。ここを間違えると、人材の確保どころではなくなる可能性もあります。
 ・出身地、本籍に関すること
 ・家族、家族構成等に関すること
 ・信仰している宗教のこと
これなどがプライバシーに該当します。従って、読書に関することも信仰と関連しますので、「よく読む本は?」等の質問も好ましくありません。
勿論、面接の上で話しの流れで本人が話し始めたのなら問題はありません。


3.入社後の育成について

せっかく獲得した人材ですからうまく育成して長きにわたって活躍してもらいたいものです。
育成なんかしている暇はないよ、と言われる経営者、管理職の方もいらっしゃいますが、ここを怠るとお金と労力を使って、いつ辞めるか分からない人材を採り続けなければなりません。

◆会社の方向性を示す

新人が入社すると入社時研修を行なう企業も多いかと思います。
ここでの重要なポイントは業務・業界の知識をつけることも大切ですが、最も重要なことは会社の方向性を少しでも分かってもらうことです。
「なりたい自分」と「会社の方向性」に共通項を探す作業をさせます。

まだ、社会の入って間もない間だからこそ、会社の将来に向かった方向性の中で「この部分は自分が力になれそうだ」とイメージさせることは、社員の定着率を上げるために効果的です。
   
◆単純労働は最低限に
    
人手不足の中で、新人が入って来ると「待ってました」と言わんばかりに単純作業や肉体労働をさせるケースも多いと思います。
企業にとってはある意味「修行」、ある意味「仕方なく」なのですが、この部分が初めての日常業務の殆どを占めてしまって、しかもこの状態が数ヶ月、1年と続くと間違いなく、新人のモチベーションは下がります。

俺の若いころは3年は下積みだった」はもう今の時代通用しません。
当然、そのような作業をさせて、仕事の流れをわかってもらう事も必要ですが、節々で頭を使って考えさせる作業をさせるようにします。
    
◆「褒める」「叱る」を忘れずに
     
新人も人間です。
自分を振り返れば分かる通り、褒められれば嬉しいし、叱られれば「直さねば」と思います。
特に最近は「褒める」ことを忘れてしまっている経営者、管理職の方が増えてしまっています。

「腫れ物に触る」ような態度は一切必要ありません。
管理職、先輩社員として基本的なことをするだけです。 





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